こんにちは、あるいはこんばんは。「人・組織の困ったをハンズオンで解決に導く人事支援サービス」を提供しているFiVE Inc. 代表の泉谷(@Show_Iz)です。今回のコラムで取り上げるテーマは「求人票の書き方」です。20年ほど人事 / 採用の仕事に携わってきましたが、年を追うごとに、いや日を追うごとに人材採用の難易度の高まりを肌で感じています。そんな状況もあり、採用がうまくいっている企業はより採用強化を図る目的で自社の取り組みを発信し、それがまた新たなトレンドとなって採用界隈に影響を与えるという流れが繰り返されている気がします。そんな中で採用界隈のトレンドはおさえつつも、それ以上にわたしが採用業務において大事にしてきたことがあります。それは「求職者フレンドリーな求人票」へのこだわりです。なぜ求人票にこだわるのか?その理由は単純明快で、求人票は求職者の方が求人へ応募する際に必ず目を通すコンテンツだからです。社長の創業ストーリー記事を見ていなくても、イケてるメンバーのインタビュー記事を見ていなくても、楽しそうな社内イベントの記事を見ていなくても、求人票だけは求職者の方が応募前に必ず目を通します。そんな最重要コンテンツであり、人材採用をする上で切っても切り離せないものが求人票であるにも関わらず、過去に作成したものをテンプレート的に用いて作成されたり、他社の求人と代わり映えのない内容でもよしとするなど、すごく軽く扱われていると感じています。そんな想いを持っているからこそ、求職者の目線に立った求人票、いわゆる求職者フレンドリーな求人票になるよう私なりにこだわってきました。じゃあ、どうこだわってきたか?求人票というものはフォーマットが一定決まっていて、その中にはわりとたくさんの項目があることから、それらに対するこだわりの全てを書くとめちゃくちゃ文量が多くなってしまいます。ですので、本コラムではわたしが重要と考える順、上位3項目にフォーカスしようと思います。求人票作成において、わたしが重要と考える上位3項目は以下のとおりです。募集背景業務内容必須要件では、ここから1項目ずつ、冗長にならないようシュッと解説していきます!募集背景募集背景とは、人材募集を必要とするに至った理由や経緯、狙いについてを求職者に理解してもらうために記載する項目です。以下は実際の求人票でよく見かける文言です。「業績好調に伴う人員増加のため」「プロダクトの機能拡大に伴う体制強化のため」「欠員発生による補充のため」(んー、理解できるような、理解できないような…)自分が求職者だとしたら、なんかもう一段、二段掘り下げて知りたくないですか?私だったら、ピンとこなくてもっと掘り下げた募集背景が知りたくなっちゃいます。例えば、1つ目の「業績好調に伴う人員増加のため」は、業績が好調な状態と人員を増やしたいという考えは因果関係がないような気もします。こうだったらどうでしょうか?現状業績は好調だが、今後さらに業績をあげていく事業計画を立てており、そのためには人員を確保する必要があるためもしくは、現状業績は好調だが、現在の人員体制では各人がストレッチしている状態であり、安定した業務を無理なく継続していくためにも人員を確保し、負担を解消する必要があるためだったらどうでしょうか?イメージが伝わればいいのでそれほど思考も通していない簡単な例ですが、読後に受けるイメージが全然違いますし、背景となった状況に対する解像度も全然違う気がします。つまりは、人材を採用するという意思決定に通ずる解像度の高い因果関係を理解できる内容が書かれていることが求職者フレンドリーな募集背景であると思っています。業務内容業務内容とは、入社したらどういった仕事に取り組んでもらうのかを求職者に理解してもらうために記載する項目です。求職者フレンドリーという観点でいうと、今回取り上げた3項目の中ではダントツで重要な項目が業務内容です。言うなれば求職者にとっては、募集背景も必須要件も入社後にはそれほど重要ではなく、業務内容こそが自身の日常に直結するものだからです。そして、業務内容はこのあと解説する必須要件と密接に絡む重要な項目です。実際の求人票ではこんな内容をよく見かけます。採用戦略の立案と実行(人事)新機能の企画および設計、開発、運用(エンジニア)デザインツールを利用したWebサイト/アプリのデザイン(デザイナー)例えば、1つ目の「採用戦略の立案と実行(人事)」。なんか内容的に大きくないですか?例えばこうだったらどうでしょうか?事業成長を支える持続的な採用サイクルを実現するための戦略立案戦略実現に向けた体制/オペレーションの構築と構築後の統率/牽引これまたイメージが伝わればいいのでそれほど思考も通していない簡単な例ですが、実際にどういったことに取り組むのかわかりやすくなりました。これはまだわたしの構想段階の案なのですが、割合や頻度を書いてみるとどうでしょうか?事業成長を支える持続的な採用サイクルを実現するための戦略立案(10%)戦略実現に向けた体制/オペレーションの構築と構築後の統率/牽引(50%)あー、戦略立案より、それを実行するための体制構築やオペレーションの構築の方に主に取り組むことが伝わります(ただ、ちょっと取り上げた例がよくないですね…笑)。時期によって割合や頻度は変わりますし、期間をどうみるのかでも変わることは理解した上で、あくまで求職者の脳内にイメージを持ってもらうことが重要だと考えています。関与度合いなんかを記載するのも一計かもしれません。業務内容は、具体的にどういうことに取り組むのか、どのくらい取り組むのか、どういった役割で取り組むのかなど、求職者が読んだときに抱いたイメージと会社側が想定しているイメージとのギャップを最小限に抑えることができるくらいにブレイクダウンして書かれていることが求職者フレンドリーであると考えています。必須要件必須要件とは、満たしていなければ採用できない(しない)と会社側が定めている内容を求職者に理解してもらうために記載する項目です。例えば以下のような内容が求人票ではよく見かけます。2年以上の採用経験をお持ちの方Ruby on Railsを利用した開発経験が5年以上あること異なるチームや職種をまたいだコミュニケーション能力必須要件もまた超大事な項目と考えています。ただ、この項目は求職者目線というよりはどちらかというと採用する側にとって超大事です。なぜなら、書類選考含めた選考過程における確認点と直結する項目だからです。わたしの中では以下の整理をしています。どんな人を採用したいか=採用要件(≒ 主に必須要件)目の前の候補者が採用要件を満たしているかの確認=選考よって、フワフワの採用要件はフワフワ採用を引き起こしてしまうエコシステム構築の片棒を担ぐことになります。フワフワ採用、つまりミスマッチは会社・候補者個人、双方にとってマイナスでしかなく、特に候補者個人にとっては離職という選択をせざるを得ない状況に陥ってしまいます(結果として求職者フレンドリーではなくなる)。例えば2年以上の採用経験をお持ちの方これをこうしたらどうでしょうか?カジュアル面談や面接対応を含めた媒体メインのダイレクトリクルーティングで成果を出されてきた経験フロントに立ったエージェントコミュニケーション経験ならびにそれに伴う実績採用チャネルの実績において、エージェントよりもスカウト媒体で成果を出されてきた方2年以上の採用経験がある場合にどういう成果を出されているといいのかを具体的に書くことでより伝わりますし、選考の中での確認もしやすくなります。担当してもらう業務をきちんと遂行いただくためにはどういう経験、スキルが必要なのかという点を真剣に考えた上で、具体的に定められている状態が求職者フレンドリーな必須要件であると考えています。最後に今回のコラムでは、求職者の方が求人へ応募する際に必ず目を通す最重要コンテンツである「求人票」について、候補者フレンドリーな内容、つまり候補者の視点に立ってこうした方がいいんじゃないかという持論を書き連ねてきました。求人票は客観性が命です。誰が見ても齟齬が最小な状態で伝わる客観的な内容で作成した上で、ターゲットとなる求職者の視点で見たときに興味を持ってもらえそうな要素を肉付けしていく。わたし自身全然まだまだですが、求職者が必ず見るものだからこそ、求人票にはもっともっとこだわり抜いていきたいと考えています。本コラムが人材採用に力を入れている企業の経営者の方、人事の方にとってなんらかお役に立てるならとても嬉しいです。というわけで、最後に3点だけ告知させてください。弊社 FiVEでは「苦しんでいる人事の方や経営者の力になる」ために人事支援サービス(いわゆるコンサルティング)とメンタリングによる人事支援を行なっております!今回取り上げた求人票の作成含めた人材採用支援ももちろん可能ですし、直近ではRPO事業も開始しましたので、ご用命ありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。■ RPOhttps://x.com/Show_Iz/status/1777103251030356311■ 人・組織の困ったをハンズオンで解決に導く人事支援サービス※人事支援サポートについてより詳細にまとめたコラム:https://fiveinc.co.jp/Information/column3■ メンタリングサポート(β版)法人向けだけでなく、個人向けにも提供を検討しているので、こちらもお気軽にご相談くださいませ!!※プレスリリース:https://fiveinc.co.jp/Information/pr1その他、人・組織でなにかお困りごとがありましたら、下記お問い合わせボタンからご連絡いただけますと幸いです。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました🙏!